「ユミコ君!幸子君!有難う!!本当に来てくれたんだね!!!」
相変わらず星の王子様のような輝く瞳をキラキラとさせながら義男が二人のうら若い乙女のアバター達に声をかけたのだった。
「ええ、だって会いたかったから・・w」
幸子もユミコも凛々しいチャーミングな笑顔の義男に対する熱い燃える想いは同じであった。
なので、お互い仲が良さそうに振舞ってはいても二人の目線の間にはレーザービームのような光線の火花が飛び散っていたのは、まず間違いなかった。
今にもそのレーザービームの光線の火花が互いに直撃しそうなムードであった。
とその時だった。
一人の男のアバターが義男と幸子とユミコの3人のアバターに向かって突進してきたのだった。
そのアバターはザンバラヘアの目がギョロッとしたアバターだった。
クリーム色のフード付きのトレーナーと赤いパンツルックだった。
そして、義男たちのアバターの前に来るとこう息巻いたのだった。
「やあ、君達、僕が誰だかわかるかい?!と言っても、わからないっすよねぇ~!」
果たして、やはりというべきか義男も幸子もユミコも3人ともそのアバター誰だか分からなかったのだ。
「ごめん、覚えがないのだよ」
と義男が言えば、
「わからないわ!ごめんなさいね」
「あなた誰ですか?」
と幸子もユミコも口々にかわしたのだった。
『あなた誰ですか?』と答えたのは紛れもなく幸子のアバターだった。
しかし、分からないというのは少しおかしかろう、アバターの語り口はどこかで聞いたはずの口癖なのだから。