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平成19年11月2日作成
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あと3日後に大好きな温泉旅行に行くというのに、幸子は夜も寝ないでそのバーチャル空間の中をどこまでも果てしなく彷徨っていたのだった。

最初の一日目など、まさに一睡もしなかったと言っても過言ではなかったのだ。

それほどまでに、この仮想空間の虜になってしまったのだ。

決して温泉が嫌になった訳ではなかったが、温泉に行く時間も、もったいないと思うくらい気づけばこの仮想空間の虜になっていたのだ。

しかし、だからといって、温泉に行くのを中止にするつもりも毛頭なかったが。

幸子に未練がある者や噂を聞きつけて興味を持った者達は皆、最近、幸子が男より女ばかりと遊ぶのを面白くないと感じていたのだった。

なので、出来れば、義男が教えてくれた、このバーチャル仮想空間の中に幸子を縛りつけ二度と出れなくして自分達に無料接待を是非させたいと目論んでいたのだった。

また、勿論、その計画は、ついでに選んで閉じ込めた他の女性達にも適用されていたのだった。

15人のメンバーに賛同して加わった者達の多くには某タレントファンも多かった。

一番多かったのが、タレントOのファンだった。

Oの笑顔に幸子の笑顔がソックリだという意見でタレントOのファンの軍団がこの陰謀計画に挙って参加をしたのだった。

話は戻るが、さっきの伝言ダイヤル女性Aだが、いきなり初日大勢のアバターに囲まれ辟易してしまったが、皆がものすごく積極的に話しかけてきて何故?と思うくらい煽てまくってきたのでスッカリ気をよくしてしまって、それから毎日暇さえあれば、そこへ通うようになっていたのだ。

実は大きな恐ろしい陰謀計画が待ち構えていることも知らずに。

「君、俺の好みだよ」

とか

「好きだよ」

とか夢のようなホストみたいな女性を陶酔させる台詞を次から次へと沢山のアバターたちが伝言ダイヤル女性Aに囁いて来たのだった。

実はこれらの言動も全ては将来の大きな陰謀計画のための手段のひとつであったのだ。

一日も早くそれを実現させようと大勢の仲間達でバーチャル空間という媒体でアバターを使用しながら躍起になっていたのだった。

そうこうしているうちに幸子の温泉旅行の日が来たのだった。

待ち合わせは新宿の東口の某百貨店の前だった。

 

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さらに説明すると、その際、伝言ダイヤル女性Aを消してくれそうな相手も用意して煽ろうと言う事になったのだ。

その恐ろしい役割を果たす相手とは、某いわくつきの業界の長的存在が良いだろうという所まで話は進展していったのだ。

もし、相手にされなかった場合は、自分たちで最終的にはその女性を闇に葬り去るのも、やむ終えないということに話は纏まったのだった。

そういうしているうちにあっという間にまた月日は流れた。

既に、ネットのあちこちに義男が話していたバーチャル空間の宣伝も順調に進み、後は、あの時の15人のメンバーとあとあれから新しく増えた数名のメンバーとみんなで、そのバーチャル空間の中で狙っている女性達を待つだけの運びとなったのだ。

まず集中的に狙って追い込みをかけていた伝言ダイヤル女性Aは思ったとおり、すぐ蜘蛛の巣に引っ掛かる様にそのバーチャル空間に現れたのだった。

伝言ダイヤル女性Aがよく個人的に使っているフリーメールのメールサービスのメールBOXの隙間に小さく宣伝が載るようにしたのだった。

そこまでに宣伝力を高めるにはこの数ヶ月の間に、口伝に仲間を増やして行き、結論としてみな同じ意見になったからであった。

つまり、まずその伝言女性Aを徹底的に潰して遣ろうということになったのだ。

義男が皆に獲物を捕らえるのに格好の場所として提供した、そのバーチャル空間は、参加する者達、各々が全員、自分専用のアバターを持つことができるようになっていた。

それは色んなパターンに変身できる様になっていて、大変ユニークで興味深い趣向で、やはり、その為かこのバーチャル空間はいつも大勢で賑わっていた。

今日、集まったメンバーのそれぞれが、自分が気に入ったアバターを選ぶとメンバー全員で伝言ダイヤル女性Aと思われるアバターを囲んだのだった。

それは、まるでリアルで言えば集団リンチをする前触れのような行為にも似ていた。

そんな恐ろしい事が進行している間、幸子は何も気づかない様子で、これまた女同士の出会い系で知り合った新しい知り合いと温泉に行く約束をしていたのだった。

自分の為に仕組まれた恐ろしい計画のことも知らずになんともお気楽なことだった。

温泉に行く日があと3日となった時だ。

幸子もとうとうそのバーチャル空間の宣伝をネット内でみつけ、興味を持つようになったのだ。

そして、さっそく幸子はそのバーチャル空間に参加したのだった。

実際、参加してみると、そのバーチャル空間のユニークで多彩な趣向の魅力にあっという間に取り憑かれてしまったのだった。

 

哲史がそういうと、義男は、

「僕は別に飛び切り冴えている訳じゃない、ただ正直にこうした方がいいんじゃないかと思うことを言っているまでだよ」

義男の顔が少し照れて苦笑いをしているように見えた。

そしてまた15人のうちのある者はこう言った。

「俺、もし幸子が結婚しているんだったら、別れさせてやりたい」

すると義男がこう答えた。

「それは可能だよ、決して不可能じゃない、その為にはドンドン芸能界とかマスコミに幸子を売り込んでいかないとならないけれどね」

すかさず、涼がその話題に飛び込んできた。

「もしそれが本当に出来るんだったら、俺もそうしたいっす!」

これらの会話は全て情報漏れを防ぐために個人メッセンジャーのパーティールームでなされていたのだった。

15人が同時に話すことができたのだ。

或いは、15人が同時に話すことができるチャットルームなどでだった。

もちろん、15人がいっぺんに集まらない日は15人に満たない人数でそれらの場所で会話をしていたのだ。

「でも、俺らのせいってのは嫌だな、出来れば他の誰かのせいにして別れさせてぇな」

背負うのは嫌だと言いたげに哲史がそう言ったのだった。

今日メッセンジャーのパーティールームに集まったメンバーは皆、黙っていた。

一体、誰のせいにするというのだろう。

そう思った時だ。

「俺にいい考えがある、どうもいけ好かねぇ、あの時のあの女がいいぜ」

その哲史がいう“あの女”とは伝言ダイヤル女性Aのことだった。

哲史がいうにはその女性がまだ幸子に未練がタラタラだって事にして邪魔をしたがっていて、その女性がまだ過去の蓄えがある状態だという設定にして色んな人間を雇って嫌がらせをしているように見せかけようというものだった。

実際に雇って嫌がらせをしているのは自分達だし、雇わなくても自分たちで仲間を募ってやろうというものだった。

それを実行することによって恨みを買わず幸子の家庭を壊すことができ、うまくいけば邪魔者のいけ好かない伝言ダイヤル女性Aも誰かが嫌な奴と思い込んで消してくれるかもしれないと思ったのだ。



 

宣伝業界の人たちに出来る限り情報を調べてアクセスしたりネットの色んなバーチャルやチャットで呼びかけたら、結構沢山のその業界の人々と知り合うことができたのだった。

そして一番、話に説得力がある義男が進んで、これらの人々を得意の話術によって説得していったのだ。

ただ、言葉は、会話によってではなく、すべてネットの中でのチャットやメッセンジャーやメールでなされたのだ。

姿をみせなくていいし声の証拠を残さなくてもいいのが好都合だったのだ。

さらに、宣伝業界の人たちの反応は思ったとおり、とてもよかった。

“ああ、知っているよ、俺もその女”という者もいれば、“俺はそいつは知らないけど、もっとひどい女なら知ってるぜ”というものもいた。

しかも、ご丁寧にも

「そんな女は芸能界にでも売り飛ばしちまえばいいさ」

とか言うものまで、でてきたのだった。

その話をしたものに言わせると本人の許可がなくても、それだけ周りの者を不幸にして、のうのうとしているのだったら、噂だけでも売り飛ばすことができると言い張るのだった。

そしてそれを聞いた義男もそのあと義男からその旨を聞いた者達もみんな、もし、そうなら、ぜひ、そうして、閉じ込めた悪女達から無料接待をあのバーチャル空間で受けたいものだと思ったのだった。

それは、芸能人に無理やりしてしまえば、ファンの相手は絶対しないといけないだろうという安易な考えに基づいたものだった。

だけどいくら幸子やそれに類似した女たちが、モテていたとしても、芸能人の人気のそれとはまた違うだろう。

別格だと思うのだ。

自分たちからしたら、とても思い出深く忘れようにも忘れられなかったとしても、芸能界という大きなコマや舞台に関わってしまえば多分吹けば飛ぶような存在に間違いなかった。

なので、芸能関係者に耳を傾けてもらうにはかなりの技が必要だと思われたのだ。

そこでも、15人のメンバーの中で一番頭のいい義男がある提案をしたのだ。

「飛び切り美しい画像を用意してそれを上手く使って錯覚を起こさせればいいんだよ」

と言ってのけたのだった。

本当にこの義男という男は、常に頭が冴えまくり切れまくっていたのだ。

「お前、本当に色々と知っているんだなぁ」

 

「その特殊なことっていったい何なんだよ!もったいつけずに教えろよ」

哲史がそう急かすと、義男は、

「まあ、まあ、落ち着けよ、その話は今はちょっとできない、まだよく考えが纏まっていないんでね、取りあえず、今は、まず宣伝をしまくることが先決だよ」

「よくわからねぇ奴だ!だが、宣伝はした方がいいなぁ、確かに、今から知り合いに話してくるぞ、俺の知り合いのまた知り合いにネットで宣伝している奴が確かいたからな」

「よし、思い知らせてやる、あいつら今にみていろよ」

「それなら、昔、俺を騙したあいつも閉じ込めてやる」

そうして話は次々と纏っていった。

義男の話は何故かその時ものすごく説得力があり、皆は素直に従ったのだ。

「あいつら全員纏めて二度と太陽が拝めない状態にしてやらぁ!!」

そう哲史が叫ぶと、時刻はもうランチタイム時をとっくに通り過ぎて夕方の4時頃になっていた。

実に長時間に渡って話し込んだものだ。

「そろそろ時間も時間だし、お開きにしようか」

いつのまにかスッカリ纏め役になっていた義男がそう言うと、皆は実に素直に従ったのだ。

今日集まった15人のメンバーは、一人、また一人とマクドナルドから出て行った。

また、そのうち集まって話し合うことを約束し、今日の所は一旦お開きとなったのだった。

その後の15人のメンバーの活動は目まぐるしかった。

15人の全員がそれぞれが全力を尽くして、己のあらん限りの情報源を辿って行き、義男の語ったバーチャル空間をいたる場所で宣伝をしたのだった。

しかし、義男が命じた通り、自分たちがその中で待っているということは悟られてはいけないから宣伝空間だけ発見したら目に付く場所にその場所をわかりやすく提示し続けるだけで、決して自分の存在を知らせるような真似だけはしないという鉄則は守ったのだった。

活動は主にネットだった。

いや、間違いだ全てネットの中だった。

ネットの中でだけ行動すれば間違っても姿を見られる心配はないから、それが一番妥当だと思ったのだ。

 
 


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