Aが仲間たちと幸子の事務所周辺を毎日朝から晩まで、交代でみはるようになって2日目の4月8日のことである。とうとうその時が、訪れたのであった。それまで24時間ほとんどぶっとおしで交代で仮眠を交えながら事務所ビル周辺を見張っていたのであったが、その間仲間の誰一人も、幸子の姿を発見することができなかったのであった。
もう、その日も幸子の姿を発見するのを諦めかけていたのであった。ちょうど、8日の午前中であったであろうか、と、その時であった。ビル一回の玄関からみえる渡り廊下を小走りに女性が走る姿が目に映ったのであった。その姿は紛れもなく幸子であった。「おう!」小さい声でしかし、ハッキリと仲間に聞こえるように、しっかりとした口調でAは仲間にわかるように合図を送ったのであった。その合図は綿密に緻密に何度もAのアパートで話し合って決めた合図であったのである。それなのですぐに瞬時にその合図の意味を仲間全員が理解し、共に同じ行動を取れるようになっていたのであった。
まずAが先頭を切ってそのあとを追ったのであった。幸子はビルの壁側面にある階段を上に向かってどんどん走っていく。その後をしっかりとAは追いかけていったのであった。不思議なことに幸子は一目散に走っていく様子で、絶対にこちらを振り向いてくることはなかったのであった。さっきの合図によって、少し遅れて仲間が後を追ってくることになっていたのであった。
そして、幸子の後を追っていたらついに屋上に辿り着いてしまったのであった。Aは咄嗟に叫んだ!「おい!まてぇこらぁ~~!!w」すぐに幸子はギョッとした表情で振り向いたのであった。「おまえよくも俺のことをボロ雑巾のように捨ててくれたな!」気づいた時には、既にAは幸子の胸倉を掴んで殴りかかっていたのであった。嫌、そう思っているうちにもうボカスカ、幸子の顔を力任せに殴りだしていたのだ。幸子はすぐにぐったりしたのであった。そして、幸子の顔からは血の筋がタラタラと流れ出だしはじめたのであった。
大人の男の力で女性の顔を力任せに殴れば、下手をすると死んでしまっても不思議なことではなかった。そこへ仲間がすぐ数名駆けつけてきた。その中で一番体が大きくて背の高い男がすぐにぐったりした幸子をAの元から引き離し抱き上げたのであった。「このままここに置いてはおけねぇなぁ・・・」「じゃあ、一体どうするんだよぉ~~!」体の大きな男はすぐに答えた「それじゃあ、ほかすかぁ~~!」そしてその後すぐにビルの通りに面した側にある大きな看板に向かって少し小走りに近寄ると、まるでフットボールのシュートをするようにポーンと幸子の体を看板の向こうにめがけて放り投げたのであった。
その直後にすぐビルの下からうぉおおお~~とかきゃああああとかどよめきが聞こえてきたのであった。
その後Aとか仲間はすぐどさくさに紛れてその場から消えてしまったのであった。その後彼らがどうなったのかはわからない。ただわかっているのは幸子がその日以降、誰にも姿をみせなくなってしまったことだけである。
(果たしてこれは盗作か!)
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