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平成19年11月2日作成
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実は多くのその取り巻きの異性の中に彼女がデビュー後も連絡と取り合う男性がいたのであった。しかしその連絡の取り方はやはりというか一方通行のものであった。なぜなら、寂しいことに、男性のほうからは決して彼女に連絡を取ることができないのであった。それはもちろんのこと、幸子自身の連絡先を男性に教えていないからであった。であるから、幸子が気が向いたときにだけ、数いるパシリだった男性の中から選ばれたA(仮名)に連絡が行く形であったのだ。しかし、それは、決してアイドルになってデビューして幸子が高ビーになったからそういう態度を取ったのではなくて、それにはもちろん事務所から、異性関係を絶つように言われたせいもあったからであった。そのことは無論、Aも聞かされていたし、誰もそのことに対して不服をいうものはいなかった。そしてパシリ軍団である彼らは、幸子に選ばれたAを中心に全員が彼女が故郷を去り、彼らの前に姿を現さずブラウン管のみでその姿をみれるようになったその時までも、連絡を取り合いそれぞれがみんな共通の彼女の成功の鑑賞者として連帯感を持ちながら繋がっていた。無論全員、彼女のその成功を心から我がことのように喜んでいたのであった。

そんなある日幸子は、いつものように外の公衆電話から、Aに電話をかけていた。盗聴されたり、着信記録を取られる恐れのある、自宅からは不安なので絶対に電話などできないからであった。
「お願いがあるの。」
「知ってるでしょ?」
「今度のコンサート絶対に満席にしたいから、成功させたいからもし行けなくてもいいからみんなでチケットを買ってほしいのよ。買うだけでいいから。」
Aは幸子の我侭には学生時代からもうなれっこであった。「わかったよ。」いとも簡単にAはそう答えたのであった。

大勢いたパシリの中から自分だけが連絡をもらえる立場にまでなったことに優越感を感じていたAは、もはや幸子の為なら何でもする覚悟でいたのであった。電話はそれだけであった。いつも幸子の電話はそういう内容のものばかりで用件だけ告げるとあっさりと終わるのであった。だが、Aは信じていた。前に電話で幸子に「もし、東京にあなたもくればしょっちゅう会えるのにね。」その言葉をAはすっかり間接的なプロポーズのように受け取っていたのであった。心はいつもその将来の希望に燃えていた。「いつか東京に必ず行く」Aははっきりと幸子や仲間にそう告げていたのであった。

そして、約束どおりAは仲間にコンサートのチケットを幸子が買うように支持していることを告げると、さらにAは部屋で自分の預金通帳を開いて、ため息をついた。来年にはなんとかなるか・・・Aはため息をついた。Aは、目標としては、来年には東京へ上京をするつもりなのであった。

そして時は流れた。相変わらずブラウン管をみると幸子がマイクを持って歌を歌っていた。とても可愛らしく、鈴のような歌声であった。しかも既にその頃にはものすごい人気で熱狂的なファンの嬌声が画面一面に沸きあがっていた。Aはもちろん幸子のコンサートにも行ったことはあったが、彼は彼自身の精神疾患による妄想と、思い込みでパシリの中から唯一電話連絡をもらえる自分は事実上、幸子の彼氏だという自意識過剰の認識があったので、幸子の仕事の邪魔をしてはいけないと思うあまり、コンサートにも数回しか行かず、東京に行くための資金作りにアルバイトなどをして励んでいたのであった。そして、これもまたその自意識が故に思い込んでいる幸子からのプロポーズと信じきっていた。幸子から東京に来ればもっと会えるねと言われたその言葉はAにとって紛れもなく間接的なプロポーズの言葉であったのであった。

自惚れとも思えるAのその見解ではあるが、実際A自身そんなにダサイタイプではなく、実際に大勢のパシリから選ばれた男性であるのであるから、その外見風貌も中々のものではあったのであった。濃くてくっきりしたペンシルで描いたような眉毛に、キリッとした睫毛の長いパッチリとした目と鼻筋の通った綺麗な割と面長な顔立ちであった。従ってそんな色男のAに憧れる女性も絶えることはなかったのであった。ラブレターを受け取ったこともあれば、写真を撮らせてくれとせがまれて、後輩の女性に校庭で写真を撮らせてやったこともあったくらいであった。それほどにモテた思い出も豊富であったので、幸子の言葉は全て彼のために本気であると受け取っていたのであった。

そして一年はあっという間にたった今、とうとうAは念願の東京行きの日取りを決めることにしたのであった。他のパシリ仲間は悔しいとも思ったが昔からの仲間の彼を心から祝福し応援していたのであった。そう彼らは仲間の喜びは自分たちの喜びという姿勢を常に持っていたのであった。そして、喜び以外のものももちろん・・・・・。そしてそのことがやがて大きな悲劇と不幸をもたらそうとすることもこの段階ではA自身も誰も気づくものはいなかったのであった。

                                                          続くw

 

 

 

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無題
優美
すごい・・・
色々考えているんですね!
 
またちょくちょく来ます!!!

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