昔、何年も前に―おそらく20年くらい前だろう―仲が良かった体の大きな友達は、とても気さくで人が良く、明るく楽しい人柄で友達も非常に多かった。
顔立ちも学生時代の痩せていた頃の写真をみせてもらったがお雛様のように美しくて上品なのだ。基本的に美女だった。
そんな彼女だから、常に周りには多くの取り巻きがいたのだ。
その上彼女とパチンコ店に入れば、必ずと言って良いほどすぐに満杯の箱が何箱も積み上がったものだった。
当時は、まだバブル期の終わり頃で、一応バブルだったので景気が非常に良く、パチンコの出が抜群に良くて実際に自分はパチプロだと豪語する者達が多く、その頃の男友達や彼氏、女性の友達などにも自称パチプロは沢山いて、何を隠そう私も自分のことをパチプロ入門者だと思い込んでいたほどだった。
パチプロの雑誌も毎月や酷いと毎週買っていたものだった。
パチンコが儲かるとそのお金でお茶をしたり食事をしたり、他の友達も誘って遊び場に出かけたものだった。
最も思い出深い遊び場は、箱根の奥地あたりの温泉つきホテルだった。日帰りだったがすごく楽しかったので今でもハッキリと記憶が残っている。
本当に楽しくて夢のような毎日だった。
お金に困ったらパチンコに500円から1000円使うだけであっという間に1万円や2万円のお小遣いを作ることができたのだから。
あの日々がまた来るかどうかは謎だ。だが、求めるのはとても良いことなのではないか。幸運を求める心を誰も止める権利はないと思う。
だが、しかし、この夢のような楽しいお話にもだが、しかし、がどうしてもついてしまうのだ。ちょっと待てよ!と言う訳だ。
それはどういうことかと言うと、あの幸せだった頃にも一抹の不安というべきのチョッピリ哀しい怖いお話があるのだ。
それは、あの夢のような楽しい時間を共にした仲のとても良かった体の大きな女の友達のお父さんのお話だが、私が友達と友達のお父さんとお母さんが暮らす実家に遊びに行った時は、なんと寝たきりの状態だった。
もちろん、とても可愛そうだと思った。なんでも体が悪くてその時既に内臓の半分が切り取られていたと聞いた。
そして、そのお父さんは、私の顔立ちと非常に似ていたのだ。なので、その友達は私がお父さんと似ているのできっと優しくしてくれたのだろう。
だが、友達はその当時結婚していたが、―駆け落ち結婚らしい―何を隠そう、お父さんに猛反対されたのが原因で駆け落ちになってしまい、苦労の連続だったらしかった。
追っ手から―父親だろうか?―逃れるためにホテル暮らしを転々と旦那と繰り返し最終的に経済的に落ち込み自分の身を持ち崩し苦界に落ちてしまったという。
その上気の良くて肝っ玉の友人は旦那に学力をつけるために苦界で働いたお金で夜間高校を卒業させて上げたのだった。何とも嘆かわしいお話だ。
後で、今から1,2年前に気づいたがこの時の友人の本名がある芸能プロの大物らしい人の名前と非常に似ているのだ。
なので、色々と勉強したり研究を重ねた今思うと大物の人間関係に非常に類似していて、一時的にそのことに気づいている者達から見て見事に綺麗に人間関係を形成していたので狙われて故意に計画的に呪われたのではないかと懸念される。
つまり、その事実に対する妬みと将来仕事や取引上の揺すり道具にするための計画的陰謀だったのではと今なら思えるのだ。