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平成19年11月2日作成
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その時だった、幸子の大声がしたのは。

「きゃあぁ!!助けて~~!!!」

その声で、義男と哲史が慌てて幸子のいる方を振り返ると、な、なんと幸子の黒くて腰まで長い美しい自慢の髪の毛を鷲掴みにして、まるで、SMクラブの女王のポーズでいつの間にかユミコが派手な薄紫色のエナメルのタイトのコスチュームと唇には真っ赤な濃いルージュにハイヒール姿で立ちはだかっていたのだった。

緩いウェーブのかかったフワッとした長い髪に、目元には仮想パーティーで使用しそうな金と銀のラメが散りばめられた黒い仮面をしていた。

それは正に脅威の瞬間だった。

「さっきから黙って聞いていれば随分と好き放題に言っていたみたいじゃない?!」

また、例のごとく幽体離脱してきたのかどうかは定かではないが、幸子の髪を掴んでいない片方の手には、長めのキラキラと輝く杖のようなものを握り締めていた。

「お、おまえ、この間は、よくも!!あっ、それからそいつを離してやれ!!!なんて酷い真似するんだ!やるならこの俺をやれ!!!」

いつの間にか、ハワイ旅行に一緒に行けたせいもあるが、この詐欺常習犯の悪女幸子への憎しみから熱い思いに変わっているかのようだった。

いや、しかし、15人とそれプラスの仲間の結束はそんな柔な物ではないはずだが。

まあ、そういう事にしておこう。

あくまで挑戦的で血気盛んな哲史に対して、嘲笑うかのように不敵な笑みを浮かべ、ユミコがこう言い放った。

「この女を解放して欲しかったら私に勝てないと無理よ、だけどあなたには絶対無理だわぁ!!」

「なんだとぉ、このぉお~~!!」

哲史がイキナリユミコに向かって襲い掛かろうとしたときだった。

ユミコが片手で握っていたキラキラと輝く杖を宙にクルリと一回転して振りかざすと、その途端、哲史の体がフワフワと宙に浮いたのだった。

「うふふふふふw本当にぶざまねぇ!さっきまでの勢いはどうしたのぉ?!」

「ちくしょう!!!」

ユミコの邪悪な魔力によって宙にフワフワと舞いながら哲史は何度も宙に空パンチを送ろうとしたが体も金縛りにあったように硬直したまま動かなくなっていた。

その時義男は、いつの間にか俯き加減でブツブツと呪文のようなものを唱えていたのだった。



 


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