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平成19年11月2日作成
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するとどうだろう、義男の周囲、半径1.5m以内にムクムクとピンクのモコモコとした煙が湧き上がったのだ。

それは次第に、勢いを増して膨れ上がっていった。

義男が呪文を唱え終わったと同時にそのピンクの煙のモコモコとした塊は、一気にパーンッと弾けて飛び散り、その代わり同じ場所に人間の形をした物が現れた。

いや、どうみても人間だった。

しかも、どうみても女性の姿だった。

それも、とても容姿端麗のこれまた目を見張るような素晴らしい美貌だった。

ピンクのワンピースを着て髪の毛はセミロングで肩くらいだった。

年の頃は、18、9だろうか?

ユミコは、それを見て驚いたようにこう言い放った。

「まあ、何かと思えば、その女(ひと)はあなたの彼女かしら・・随分と綺麗な女ね」

哲史はさっきから宙に浮いたままの状態だった。

哲史も突然こう言い出した。

「おい!義男、その子はいったいなんだ!!説明しろよ!!!」

すると義男は、いつもの癖で、ゆっくりと深く息を吸い込んでから厳かにこう言った。

「この女(人)は、僕の愛しい者だよ」

哲史は目を瞬きしてギラツカセながら

「そうか、そいつがそうなのか?!お前がいつも言っていた愛しい者とは」

と言いながら幸子の自室の空中でユミコの邪悪な魔術で体の自由を奪われた末、唯一自由になる足先をバタつかせていた。

「そうだよ、その通りだよ、そして僕の愛しい者が幸子君を守ってくれるのだよ」

そう言い終わるか終わらないうちに、今さっき現れた義男の愛しい者は、スゥ~~ッと幸子の方へ吸い寄せられるように近づくと、そのまま幸子の体の中に入ってしまったのだった。

その時だった。

さっきまで凄い勢いで捲くし立てていたユミコがキラキラと光る杖を握り締めたまま、急に蒼褪めた表情になって後退りしたのだった。

その上そのまま床に座り込んでしまったのだ。

 

 

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