―春のある日の新宿のマクドナルドで―
涼が仲間とワイワイがやがやと色んな話題に花を咲かせていた。
いや、それは間違いだ。
色んな話題ではなく話題は唯一つだった。
そして、その話題とは幸子の話だったのだ。
実は最近流行のネットで知り合った面々だった。
そして、メンバーの全員が男だった。
彼らの共通点はみな幸子を知っているということだった。
そして似たような体験を各々が持っているのも事実だった。
その体験は紛れもなく幸子に冷たくあしらわれたり、ぞんざいに扱われたり素気無くされたというものだった。
同じ仲間で集まり励ましあえば、いくらか気持ちも楽になり、勇気付けられるというものだった。
そしてこの集まりの中には、なんとあの伝言女性Aを知っている者もいたのだった。
その男は仲間にこう語っていた。
「俺は、幸子も幸子と今付き合っている女の子も両方知っている、あいつら男を舐めているぜ、俺は幸子の付き合っている奴の店も知ってるがすごい使わされたがそれほど楽しくもなかった、なのに俺が使ったその金をそのまま幸子に使っていやがったんだ」
とまあ、こんな内容の話だった。
この男の名前は哲史というが彼がいうには、二人は組んでいて出来ていてどうしようもない奴らということになっていた。
また別の男はこう嘆いていた。
「俺、Iのファンだったけど、ファン止めることにした、腹括ったよ」
この男はタレントのIのファンだったがどことなく面ざしが似ていた幸子にこっ酷く振られた為にショックでIのファンクラブを辞めることに決めたのだった。
この集まりのメンバーには結構タレントファンが多かった。
Iの他にもOやSのファンもいた。
今日、新宿のマクドナルドに集まった総勢は15名だった。
「俺は、すし屋で幸子に『唇という漢字もかけないんですか?馬鹿ですね』って言われたのが今でもムカツクッす!」