「その特殊なことっていったい何なんだよ!もったいつけずに教えろよ」
哲史がそう急かすと、義男は、
「まあ、まあ、落ち着けよ、その話は今はちょっとできない、まだよく考えが纏まっていないんでね、取りあえず、今は、まず宣伝をしまくることが先決だよ」
「よくわからねぇ奴だ!だが、宣伝はした方がいいなぁ、確かに、今から知り合いに話してくるぞ、俺の知り合いのまた知り合いにネットで宣伝している奴が確かいたからな」
「よし、思い知らせてやる、あいつら今にみていろよ」
「それなら、昔、俺を騙したあいつも閉じ込めてやる」
そうして話は次々と纏っていった。
義男の話は何故かその時ものすごく説得力があり、皆は素直に従ったのだ。
「あいつら全員纏めて二度と太陽が拝めない状態にしてやらぁ!!」
そう哲史が叫ぶと、時刻はもうランチタイム時をとっくに通り過ぎて夕方の4時頃になっていた。
実に長時間に渡って話し込んだものだ。
「そろそろ時間も時間だし、お開きにしようか」
いつのまにかスッカリ纏め役になっていた義男がそう言うと、皆は実に素直に従ったのだ。
今日集まった15人のメンバーは、一人、また一人とマクドナルドから出て行った。
また、そのうち集まって話し合うことを約束し、今日の所は一旦お開きとなったのだった。
その後の15人のメンバーの活動は目まぐるしかった。
15人の全員がそれぞれが全力を尽くして、己のあらん限りの情報源を辿って行き、義男の語ったバーチャル空間をいたる場所で宣伝をしたのだった。
しかし、義男が命じた通り、自分たちがその中で待っているということは悟られてはいけないから宣伝空間だけ発見したら目に付く場所にその場所をわかりやすく提示し続けるだけで、決して自分の存在を知らせるような真似だけはしないという鉄則は守ったのだった。
活動は主にネットだった。
いや、間違いだ全てネットの中だった。
ネットの中でだけ行動すれば間違っても姿を見られる心配はないから、それが一番妥当だと思ったのだ。