宣伝業界の人たちに出来る限り情報を調べてアクセスしたりネットの色んなバーチャルやチャットで呼びかけたら、結構沢山のその業界の人々と知り合うことができたのだった。
そして一番、話に説得力がある義男が進んで、これらの人々を得意の話術によって説得していったのだ。
ただ、言葉は、会話によってではなく、すべてネットの中でのチャットやメッセンジャーやメールでなされたのだ。
姿をみせなくていいし声の証拠を残さなくてもいいのが好都合だったのだ。
さらに、宣伝業界の人たちの反応は思ったとおり、とてもよかった。
“ああ、知っているよ、俺もその女”という者もいれば、“俺はそいつは知らないけど、もっとひどい女なら知ってるぜ”というものもいた。
しかも、ご丁寧にも
「そんな女は芸能界にでも売り飛ばしちまえばいいさ」
とか言うものまで、でてきたのだった。
その話をしたものに言わせると本人の許可がなくても、それだけ周りの者を不幸にして、のうのうとしているのだったら、噂だけでも売り飛ばすことができると言い張るのだった。
そしてそれを聞いた義男もそのあと義男からその旨を聞いた者達もみんな、もし、そうなら、ぜひ、そうして、閉じ込めた悪女達から無料接待をあのバーチャル空間で受けたいものだと思ったのだった。
それは、芸能人に無理やりしてしまえば、ファンの相手は絶対しないといけないだろうという安易な考えに基づいたものだった。
だけどいくら幸子やそれに類似した女たちが、モテていたとしても、芸能人の人気のそれとはまた違うだろう。
別格だと思うのだ。
自分たちからしたら、とても思い出深く忘れようにも忘れられなかったとしても、芸能界という大きなコマや舞台に関わってしまえば多分吹けば飛ぶような存在に間違いなかった。
なので、芸能関係者に耳を傾けてもらうにはかなりの技が必要だと思われたのだ。
そこでも、15人のメンバーの中で一番頭のいい義男がある提案をしたのだ。
「飛び切り美しい画像を用意してそれを上手く使って錯覚を起こさせればいいんだよ」
と言ってのけたのだった。
本当にこの義男という男は、常に頭が冴えまくり切れまくっていたのだ。
「お前、本当に色々と知っているんだなぁ」