さらに説明すると、その際、伝言ダイヤル女性Aを消してくれそうな相手も用意して煽ろうと言う事になったのだ。
その恐ろしい役割を果たす相手とは、某いわくつきの業界の長的存在が良いだろうという所まで話は進展していったのだ。
もし、相手にされなかった場合は、自分たちで最終的にはその女性を闇に葬り去るのも、やむ終えないということに話は纏まったのだった。
そういうしているうちにあっという間にまた月日は流れた。
既に、ネットのあちこちに義男が話していたバーチャル空間の宣伝も順調に進み、後は、あの時の15人のメンバーとあとあれから新しく増えた数名のメンバーとみんなで、そのバーチャル空間の中で狙っている女性達を待つだけの運びとなったのだ。
まず集中的に狙って追い込みをかけていた伝言ダイヤル女性Aは思ったとおり、すぐ蜘蛛の巣に引っ掛かる様にそのバーチャル空間に現れたのだった。
伝言ダイヤル女性Aがよく個人的に使っているフリーメールのメールサービスのメールBOXの隙間に小さく宣伝が載るようにしたのだった。
そこまでに宣伝力を高めるにはこの数ヶ月の間に、口伝に仲間を増やして行き、結論としてみな同じ意見になったからであった。
つまり、まずその伝言女性Aを徹底的に潰して遣ろうということになったのだ。
義男が皆に獲物を捕らえるのに格好の場所として提供した、そのバーチャル空間は、参加する者達、各々が全員、自分専用のアバターを持つことができるようになっていた。
それは色んなパターンに変身できる様になっていて、大変ユニークで興味深い趣向で、やはり、その為かこのバーチャル空間はいつも大勢で賑わっていた。
今日、集まったメンバーのそれぞれが、自分が気に入ったアバターを選ぶとメンバー全員で伝言ダイヤル女性Aと思われるアバターを囲んだのだった。
それは、まるでリアルで言えば集団リンチをする前触れのような行為にも似ていた。
そんな恐ろしい事が進行している間、幸子は何も気づかない様子で、これまた女同士の出会い系で知り合った新しい知り合いと温泉に行く約束をしていたのだった。
自分の為に仕組まれた恐ろしい計画のことも知らずになんともお気楽なことだった。
温泉に行く日があと3日となった時だ。
幸子もとうとうそのバーチャル空間の宣伝をネット内でみつけ、興味を持つようになったのだ。
そして、さっそく幸子はそのバーチャル空間に参加したのだった。
実際、参加してみると、そのバーチャル空間のユニークで多彩な趣向の魅力にあっという間に取り憑かれてしまったのだった。