策略
朝のちょうど9時だった、待ち合わせの時間より少し前に幸子は新宿の東口の某百貨店の前に着ていた。
なので、新しく女同士の出会い系で知り合った出会い系女性C(今後こう呼ばせてもらおう)は時間ピッタリに待ち合わせ場所に着くとすぐ幸子を発見することができたのだった。
「お待たせしました」
明るく出会い系女性Cが幸子に会釈をすると、幸子もそれに対してとても嬉しそうにニッコリと微笑んだのだ。
幸子がまず銀座の某百貨店の化粧品売り場に頼んでおいたブランド物のリキッド・ファンデーションを取りに行くのを付き合って欲しいということになり、二人はまず銀座に向かったのだ。
その用事が済めばすぐに長野県の奥地の温泉に向かうのだ。
すぐに地下鉄に乗り銀座に向かったのだ。
地下鉄の降りた駅からその百貨店はすぐだった、地下鉄の駅ホームから百貨店の地下街は繋がっていたのだ。
地下鉄の駅の改札を出たところから少し歩いてその化粧品の売り場はすぐだった。
その為、用事は思ったよりすぐに終わり、幸子は待ち望んでいた品を無事に受け取って駅ホームに戻ってきたのだ。
本当なら今日の温泉は、出会い系女性Cにしてみれば、運転免許と自分専用の車を持っていたので、是非、車で行きたかったのだが、幸子が車は怖いと言い張り、電車になったのだった。
運転にそれ程、自信があった訳ではないが、事故を起こしてしまうほど下手とも思っていなかったので、これは出会い系女性Cにとってはいささかショックなことでもあったが。
電車をJRに乗り換えると一路、電車は長野県に向かったのだった。
前にも、その温泉に幸子は行ったことがあり、とてもよい所だったそうなので、そこに着くのが今から楽しみだった。
しばらく電車を乗り換えたり、電車の中で過ごすと、ようやく長野県にとある駅に着いたのだった。
周りの景色は本当に田舎で鬱蒼とした自然に囲まれていて、空気がとても濃くて綺麗に見えた。
確か駅で待っていれば無料送迎バスが来るはず、そんなことを考えていた時だった。
出会い系女性Cは温泉に着いてから退屈してはいけないと思い、二人で楽しめるようにパズルみたいな絵本を買って来たのを思い出していた。
手持ちのバックの中を確かめると確かにその本はキチンと仕舞われていたので、ホッっとしたのだった。
これで温泉の宿に着いた時、退屈しなくて済むと一安心したのだった。
無料送迎バスの中にいる間も心は温泉の宿はどんなとこだろうと、そればかり考えてワクワクと踊っていた。