その他にも、15人とそれプラス幾人かの邪悪な陰謀集団達は、いつも関わったとしてもまともには相手にされず、便利に使われてばかりだったのを根に持っていたので、(例えばメッシー、アッシー、貢ぐ等)何とか逆にこちらが、幸子達を利用できる立場になれないものかと、日頃から例のバーチャル空間内や個人チャットルームなどで話し合っていたのだった。
その話し合いの場で大活躍をしたのが、哲史だった。
哲史が言うには“俺に任せろ!”と言う事だった。
そして哲史が皆に提案した話の内容だが、それは、こう言う事だった。
幸子や伝言女性Aまた出会い系女性C、その他にも目ぼしいタイプ全員を金儲けに使えるやり方があると言うのだ。
その方法とは、今流行のネットの中で出来るやり方だそうだ。
具体的に言うと、かの有名なヤフーオークションなどに他のショップで安く買った商品を金額を大きくフッカケテ売りさばくというものだった。
しかし、それだけでは儲からない。
そこで気をつけないとならないことは、その商品がタレント商品であり、しかもそのタレントが幸子に似ていないといけないという事であった。
それは他の選ばれた女性にも適用されるべき事柄だった。
何故なら、それらのタレント商品をかなりの値段で売る影には暗黙の取引があり、高く買えば買うほど、タレントによく似た女性と付き合うことができますよ、というのを売りにするからだったのだ。
無論、哲史のこの提案に皆、すぐに賛同し、従ったのだった。
哲史は今や最も信頼の置ける15人とそれプラスの仲間の中心人物的存在だったのだ。
「上客には、なるべく似た女を回すようにするんだぜ!その為には俺らは常にあの女たちを監視して、上客と出会えるように計らうようにするんだ!」
哲史がそう言うと、皆、任せろよと言いたげに、“OK!”と返事を送ったのだった。
皆、“上客と言えばもちろん相手ができる女は数名に限られる、幸子は絶対そうだな”と思っていたのだった。
それは正に図星だった。
選ばれた女性の中でもっとも美形で上品なのが幸子だったからだ。
まだ何も始まってもいない内に哲史の説得力ある話し振りにスッカリその気になってしまい、皆、心の中でそれぞれがいつの間にか一人前のネットデートクラブの店長になった気分になっていたのだ。