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平成19年11月2日作成
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米田は思わずたじろいだ。

それはそうだ。

死んだはずの人間の声が急に聞こえてきたのだ、誰だってビックリする。

たじろいだ勢いで自室の自分の机から後ろに体が倒れ、腰掛けていた椅子もろとも転げ落ちてしまったのだ。

やっと起き上がり、まだ興奮が冷めやらない面持ちで首を大きくブルブルと振るとまるで振り子人形のような有様だった。

しかし、驚くべき現象はそれだけでは、終わらなかったのだ。

「ごめんよ!驚かせてしまったんだね」

またしても義男の声だった。

「ひぇ~!た、助けてくれぇ~~!!」

真面目に真剣に米田はそう思ったのだった。

気づけば自室で手をバタバタさせ、大声で叫んでいた。

「なら、これでどうだい」

また、義男の声がすると今度は目の前に透き通った義男の上半身姿が浮かび上がったのだ。

すると怖がってはいたが、その姿をみて少し落ち着いたのか、米田はやっとまともに口を利いたのだ。

「義男!どうしたんだよ、その姿は」

すると透き通った体の義男はニコッと微笑んで

「やっと、普通に戻ってくれたんだね、嬉しいよ、実は僕は“愛しい者”を得るのと引き換えに自分の肉体を滅ぼしたのだよ」

それは驚くべき発言だった。

義男は、自分の肉体を滅ぼしてまで、その“愛しい者”とやらを手に入れたかったのか?

考えれば考えるほど空恐ろしい話だった。

「義男、お前もう元の体には戻れないのかい?」

 
 

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