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平成19年11月2日作成
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体が突然重くなり、ライラは不安と恐怖の為に一瞬、気が遠くなりそうになった。

そして、また消えた筈の謎の侵入者の声が聞こえてきたのだ。

今度は、自分の頭の中から、その声が聞こえてきたのだ。

「さぁ、何をグズグズしているの?行きましょうよ!!」

「何って、あなた、消えた体はどうなったんですか?」

「体は面倒だから最初から部屋に置いてきたわ、幽体離脱したのよ!そんな事はどうでもいいわ!さあ、早く行きましょう!」

「行くって、どこへですか?!」

「やぁねぇ、もう忘れたの?あなたがさっき行こうとしていた所よ」

さっき行こうとしていた所と言えば、それは、あの例のバーチャル空間の事になる、しかし何故、この謎の美少女はそこへ行きたがるのだろうか?

まるで黛で描いたような美しいアーチ型の眉毛、パッチリと見開いたアーモンド形のつぶらな瞳と紅を注したようにキリッと結んだ小さい血の色をした赤い唇、そして、抜けるような鼻先に優美な卵形の顔立ちは、そのどれをとってもひとつの眩いほどの芸術作品だった。

異性だけでなく同性がみてもボォ~~っとするほどの恐ろしい美貌だった。

そして、その美貌の武器を盾に出会う者達すべてを一瞬のうちに虜にして奴隷にしてしまう魔力を秘めていたのだ。

ライラも例外ではなかった、気づけば、いつのまにか、いいなりになって、バーチャル空間の扉を開こうとしていたのだ。

「あなたは、どうして“あそこ”へ行きたいのですか?」

「それは行けばわかるわ、でも一言で言うならば、幸子を潰す為だわ!」

「それは、何故ですか?何か恨みでもあるんですか?」

謎の美少女は、その時、この世のものとは思えないほどの絶世の笑みを浮かべ、こう答えたのだ。―無論、頭の中の事なのでその顔はみえないが―

「そうよ!あなたよくわかってくれたわ、そうなのよ、私、幸子には恨みがあるのよ!」

ライラは、バーチャル空間のログイン画面を開くと、さっそうと画面の中に突入したのだった。

そして、また頭の中から謎の美少女の声が聞こえてきたのだ。

「幸子は、あの娘は、私の人間関係を滅茶苦茶にしてくれたわ!そのお礼がしたいのよ!」

 

 


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