と尋ねたのだった。
すると義男は、得意げにこう答えた。
「それは、念力や霊能力の力だよ、魔術にも似ているね、本当に素晴らしいよ、彼女にはその力が溢れているね、僕にはわかるのだよ」
米田がすぐに返答した。
「それで、おまえが魔法の力を持っているというのか?、それなら俺にも少し分けて欲しいな、今のままじゃ、とっても不自由だ、何しろお前に呪いをかけられたからな」
「呪い?」
「そうだ、お前がこの間、話していた愛しい者って、この間以来、ちょくちょくと耳元で聞こえる幻聴とか、目の前をちらつく怪しい幻覚のことだったのか?おかげで急性神経性胃炎になったぞ!その上慢性だ!!」
義男は、米田にこう問われると、急に半透明の上半身姿のまま顔の表情を強張らせ、額に片手を押しあて少し苦しそうに震えているように見えた。
米田もそれを見て少したじろいたが、かろうじて持ちこたえ義男にまた問いかけた。
「愛しい者とは、あの幻聴とか幻覚のことをいうのか?」
義男はかなり辛そうに眉間に皺を寄せ顔を歪めたが、一瞬息を深く吸い込み思い切り深呼吸をすると、いくらか気持ちが落ち着いたらしく、米田に向かって言葉を発した。
「君には、そういうものが感じられたり、見えるんだね、僕は間違ったことをしてしまったかな?それならば謝らないとならないね、僕には愛しい者の深い熱い想いが、いつの日も心の中に小波のように押し寄せてくるのだよ」
「本当にそうなのかい、本当だったら、それはすごいよなぁ、義男!」
「なら、君には感じられないのだね、之ほどの彼女の熱い想いが、ならわかったよ、もし君に操縦が不可能だったら、いつでも僕にいってくれ!」
「なんだと?!これは操縦をする必要があるものなのか?俺には呪いにしか感じられないぞ!」
「最初からは無理だよ、ゆっくりと静かに充分に心を落ち着けてから心の目を開くんだよ、そうすれば、きっとよくわかるからね」
「では、呪いではないのか?彼女とは、これは亡霊のなせる技で女なのか?!」
「亡霊?!それはひどい言い方だね、彼女は亡霊じゃない彼女の魂は永遠だよ、僕はいつも彼女と一緒なのだよ」
米田と義男の信じられないような不可思議な討論はまだ終わりそうもなかった。
その頃、まだバーチャル空間で幸子とユミコは揉めていたが、ユミコは幸子に言葉をチャックされたのだが、それもユミコが念力で弾き飛ばしたため幸子の“お洒落なBAR”の部屋には非常に緊迫した脅威に満ちた旋律が駆け抜けていたのだった。