そして、半透明の上半身を生き生きと躍動させながら、義男は、さらにこう続けた。
「僕の愛しい者をどうぞ、よろしくねw」
それに対して幸子はこう答えたのだ。
「その愛しい者とはいったい何者ですか?そして、それは、いつ私の所へ来るのですか?」
義男はこれ以上はないと言うほどに、最高の微笑を浮かべながらこう答えた。
「君が望むのなら今すぐでも大丈夫だよ」
星の王子様のように凛々しい義男にそう言われて、幸子は女心として少しドキッとして、ポォッ~っとなったのだった。
「まぁ、そうなんですか?それが本当に良い者なら嬉しいですけど」
「間違いなく良い者だよ、君の事をユミコの邪悪な死の呪いから守ってくれるのだからね」
「それから、・・・・」
義男との会話のやり取りで、急に何か疑問が沸いたかのような発言を幸子がしかけた。
「何故、私(わたくし)はユミコという女性に呪われているのでしょうか?」
毅然とした態度でそう発言した幸子に対して、義男はこう答えたのだった。
「それはね、長くなるからね、一辺には話せないよ」
そう言われれば、余計聞きたくなってしまうのが人の常だ。
幸子も例外ではなかった。
「もったいをつけずに話して下さい!理由がわからないと不安で仕方ないんです!」
義男がとても困ったような面持ちで両手を肘から上に上げてお手上げのポーズを取るとすかさずこう答えたのだった。
「君は、噂だと沢山の人を利用して騙して傷つけてきたらしいね、あぁ、傷つけたならごめんね、でもそういう噂を聞いたものだからね、簡単に言えば、その様なことが原因していると思われるよ」
それだけ聞くと幸子はいきなり表情を歪め、固く結んだ唇を震わせながらこう答えたのだ。
「私(わたくし)はそのような覚えはありません・・・断じて・・・」
そういいながら眉間に皺を寄せ顔を引き攣らせ顎を引くと片手の拳を口元に添えながら、とても怯えるような仕草をしてみせたのだった。