あのかの有名なヴィクトル・ユーゴーのロマンス主義フランス文学のレ・ミゼラブル(『噫無情』(ああむじょう))のお話―原題 Les Misérables は、「悲惨な人々」「哀れな人々」の意味―からヒントを得て、何かが原因で―例えやむ終えない事情によってでも―誰かが牢獄に入ってしまっている間に、全てを侵略して奪い取ったり、支配して自分が都合良いように物事を進めて行こうとする陰謀がTの陰謀の根本に直結しているものだと思われる。
現代で言えば、実はあの多くの人に愛され大いに利用されている?―度重なる事件や事故、天災によって引き篭もってしまっていただけとも考えられるが―バーチャルが牢獄と同じ役割だろう。
そして、全てを自分の思ったとおりに変えるのは良いのだが、あまりにエゲツナイ嗚咽が出るような破廉恥な悪趣味を伴う陰謀だと既にばれたので、とうとう妻に愛想を尽かされたTは、月の半分以上を別居して過ごすようにまで至っている。
だが、こうなってしまったのも全て自業自得なのだ。
毎日のようにベッタリと過ごして一緒にあちこち出掛けて真面目にTを稼がしてしまうと、鬼のように嫉妬深いTが奥さんと仲が良かったり、気に入っている子を次々と暗殺するのに金を使っているのがばれてしまったからなのだ。
しかも、ただ単に殺すだけではないのだ。
殺した後、あいつ特有の変態異常性欲を慰めるためのち●ち●奴隷にして自分が楽しんだ後は高い値段を付けて闇であいつと同じ悪趣味な男性客に高く売り飛ばしているのが分かったからだ。
このことが事実上分かってしまった以上、さすがにTの奥さんもこれ以上あいつに思う存分稼がすのは危険だと思ったのだと思う。
また、大事な友達をたくさん失うのが目に見えているからだ。