「はぁあ~!、ご無沙汰何やろ、もう全然会ってへんのやろう!とぼけてもこっちは、ちゃんと調査して調べはついとるんやでぇ~~!ええい、俺の女になれや~~~!悪いようにはせぇへんでぇええっ!」そう喚き散らし、あいつは、今流行のネットバーチャル内の萎びた小部屋で目ぼしい女性アバターを口説きまくっていた。
悪いようにはしないと言っても、あいつに付いて行けば、間違いなく半生涯ネット交際付けになってしまうだけだろう。
また、あいつが目をつける相手は、殆どが大物の令嬢だったり、大手企業の上司やトップの人妻や彼女なのは間違いないだろう。それらの女性に粉を撒き、自分がコンサートを開けるようにパートナーを促し取り計らってくれるのを期待してのことだと思う。
無論、相手の人間関係に迷惑をかける気はないので、アリバイを保持するために不良暦がある人物や逃亡中の人物などを拉致して利用していた。―その際、アリバイをより完璧なものにするために狙う利益に繋がる女性の旦那や彼氏の予定や行動も綿密に調べ上げていた―
あいつの言い草はこうだろう。
『あの不良や自己紹介をみんなの前でハッキリできないような逃亡者と俺のことみんなはどっちを信じると思う?!』
また、「俺に大人しく引っ込んでもらいたいなら文章で俺に勝つことだな、そんな文章じゃまだまだだ!」などと相手の自尊心を著しく侵害するような暴言を人を選んで吐き続けていた。―もちろん、こいつなら言っても大して跳ね返りがないと踏んだ相手だ―
そもそもネットバーチャル内が文章が上手なほど、優位に立てて何でも思い通りにできるというシステムが変わっている思うのだ。あいつが勝手に決めたことだとしたら大変なエゴイズムだと思う。また、文章で勝たなくても、あいつのプロダクションのタレント商品を買ったりコンサートに行けば親切にしてやると言いたげなのも非常に感じ悪いことだ。
だったら最初からそういう条件を提示したり、Hプロバーチャルとタイトルをつければいいと思う。そしたら、私は絶対行かないと思うのだ。それができないと言うのは、本当は別経営だからかもしれない。―まあ、ハッキリしたことは分からないが―
また、エゴの塊で自慢壁の強いTは、大きな仕事が入るたび、「あの馬鹿、こんなビッグな仕事俺によこしやがって!、自分の女をバーチャルで俺に乳繰られまくっているとも知らないで・・・」と裏で赤い舌を出してせせら笑っているのは、まず間違いないと思う。
そして、その際、「馬鹿とハサミは使いよう俺はヘマなそこらへんのアンポンタンとは違うでぇ、上手に阿呆を利用して毎日楽しく面白可笑しく生きていくんやぁあ!」と息巻いていた。
こんな悪魔のような利己的な男がこの世に生息し同じ空の下で息をしているのかと思うとマジにゾッとしてしまうのは私だけだろうか?
こんな世の中になってしまったのも、ネットが大々的に普及して、今まで不可能だったネットだけでの交際が流行ってしまったせいかもしれない。今、マジそう思っている。―Tの陰謀36参照―