「ねぇ、俺が落ち目になった原因をみんなで考えナイン?」そうボヤキ、ニタニタしながらあいつは、毎度おさがわせにも召集したい全員の住まいの近隣で小火や誘拐事件を頻繁に依頼していた。その召集されたメンバー全員があいつの思い込みと独断と偏見によって選ばれたのは言うまでもない。
自分が落ち目になったのは自分に似たタイプをみんなが盛り上げたり支援しなかったのがいけない!あいつはきっとそう言いたかったのだと思う。
しかし、ここで問題が出てくる。そう言いたいに決まっていることは集められた全員がとうに気づいている事実だったから、当然誰があいつに一番似ているかという問題を隠してしまうのは当たり前のことだったと思う。あんな感情的で下衆な男に本当のことを教えようものなら、ヒステリックに自分に似てない全員に拷問のような精神的虐めや差別を繰り返して行くのは目に見えていたからだ。
そう言いたい反面、自分に似ているタイプに対してもあいつは自分が反省したり詫びようという気持ちは一切なく、ただヒタスラ、『よくもみっともない行動を何年も続けて俺の人気に皹を入れてくれたな!』と復讐の毒牙を剥き出しにしていた。自分には何も非はなく、全て周りや自分に似た他の誰かがみっともないから人気が落ちたと考えるのがあいつの信条なのだろう。―しかし、ハッキリ言ってあいつよりもっと私に似ている若い男の子が人気がすごくあったりという事実もあるんだから、あいつ自身に問題があるからであって似ている人にはまったく関係ないのが正真正銘の真実だと私は思っている―年齢的なことも関係していると思う、あと、性格的なむき不向きもあると思う―
さらに、あいつは、ネットバーチャルができてからと言うもの前々から噂を聞いていた自分に似たタイプに対して実は陰ながら調査や嫌がらせ屋や闇サイトで依頼をしながら尾行や行動観察、巧みな嫌がらせや突発的な周囲での不審事件で脅かし続け何とかしてバーチャルの中に誘い込んで自分のパシリ、主にネット内での大物彼女や奥さんとの情事のアリバイに使い、最終的に全てその自分に似た人物のせいにして情事の相手のパートナーに疑わして刺客を雇わせこの世から抹消しようとしていた。
また、こういう最悪な状況になる前にさんざんネット内で精神的に追い詰め不快感を与え続け虐め倒す計画も、もちろん実行していた。
その行動の際に自分とは似ても似つかない正反対のタイプだとネット動画や画像で詐欺を繰り返しファンや周囲の他の人に「俺と似てないけどさ、過去追い詰めた奴が現在どうなっているか知りとうないん?そして、観察してみんなで笑ってやろうやない?」と周りの悪意に漬け込み邪悪な虐めに参加させようとしていた。自分に似ているタイプに安上がりに自分のファンを取られたくないというのもあったのかもしれないが、わざわざ集めてからそういう余興をする不道徳極まりない神経はちょっと信じがたいものがある。
実はそれには訳があった。
自分によく似ていると思われる人物の最も中のいい女性の友人が天女のごとく美女だという噂を聞いたのでその女性がどうしても欲しくなってしまい、ライバルや知り合いを呼び寄せて自分のテリトリーに何としてでも引き入れ跪かせ奴隷にしてから当然の権利の如く奪い取ろうとしていたのだった。
しかし、何度も前にお話したがこの件に関しても相当のどす黒い陰謀が秘められていた。
実はこの天女の如く美しいと噂されている美女は、その言葉通りなら傾国の美女なのだが、それを裏付けるというべきか、美しいが故に皆からちやほやされ元来モテルタイプで皆がすぐ奴隷のように言いなりになってしまうものだから当然、相当の我侭でキカンボでおまけに生まれつき物質欲が人並み外れていた。そのため、少々金持ちであっても彼女に対しては気苦労させられることが多く、いや、絶えなかった。そのように大きなお荷物を勧められることとなったのだ。
しかも、この話にはおまけが付き、最終的にTが受け取るまではいかにもその後儲かって涙が止まらない人生が待っているかのように巧みな演出やアニメやドラマの詐欺脚本で見せ付けておきながら、実際に受け取ったと見た途端に手のひらを返すように「えっ!、何のこと?」という様子に、あれほど大騒ぎしていた周囲が豹変し無関心、無反応になって行くのだ。
だから、貰った方は突然大きな喜びが訪れた途端、同時に何かが急に音を立てて崩れ落ちて行くショックの両方を受け入れないとならないのだ。
また、この運命を授かった全員が最初のうちだけ返品を恐れ、ちょっとの間は色々特典を授かるが、それも日を追うごとにダンダンと条件付になり、さらに少しづつその条件が厳しくなって行き、最終的に―実は私も経験したが―コンビニやスーパーの買い物の品の種類や金額までチェックされるようになって行くのだと思う―
これは、過去、問題の傾国の美女に出会い遭遇し、サンザン我侭を言われたりタカラレタ経験がある者達で集まってその後受け取った人物にしばらく預かってもらわないとならないけど、自分たちもかなりの被害に遭って頭に来ているからそう簡単に楽しく幸せになんてしてやれないと復讐の牙を新たな犠牲者に最初から向けている行為だと思われる。つまり、彼らの本心はギリギリやっと食べてだけるだけしか支援する気はないと思うのだ。
受け取るまでは、夢のような薔薇色の人生が待っていると思わせたのは全て嘘っぱちで詐欺だった訳だ。